地球のほかにも、生命を宿す惑星はあるのだろうか?そのような惑星をどうやって探せばいいのだろうか?理論と観測の両面から、系外惑星と地球外生命の探査の最前線を解説する!地球外生命を探す場所として真っ先に思い浮かべるのは、火星や土星の衛星ではないだろうか――いずれも地球と同じ太陽系内の天体だ。しかし、宇宙には生命を探すべき天体がもっとたくさん存在する。1995年、初めて太陽系外の惑星が発見された(その偉業を成し遂げたマイヨール博士とケロー博士は、2019年にノーベル物理学賞を受賞)。それは、地球から約50光年離れたペガスス座51番星のまわりをたった4日で公転する巨大なガス惑星だった。その後、世界中の天文学者が太陽系外の惑星(系外惑星)を探し、発見を報告してきた。その数は4000個を超えている。最初の1個だけでなく、これまでに見つかった系外惑星の多くが、太陽系のどの惑星とも似ていない。不思議な軌道で公転する惑星がたくさん見つかっている。とすると、太陽系は特別な存在なのだろうか? また、どのような軌道を回る惑星であれば生命を育めるだろうか?一部の系外惑星については、軌道だけでなく大気組成までも観測できるようになっている。そして、系外惑星の大気に生命活動の兆候を見つけようとする挑戦もはじまりつつある。「第二の地球」の発見は近い!目次:第 I 部 系外惑星探査小史――太陽系の理解から第二の地球の可能性まで第1章 私たちのふるさと――天の川銀河、太陽系第三惑星、地球第2章 最初の系外惑星が見つかるまで――挑戦、失敗、常識はずれの惑星第3章 ケプラー計画がもたらした革命――画期的なアイデア、試練、膨大な発見第 II 部 系外惑星探査の現在――探し方の進化と見えてきた世界第4章 系外惑星の探し方――あの星に惑星はあるか?第5章 系外惑星の多様性――事実はSFより奇なり第6章 系外惑星が教えてくれたこと――太陽系は特別か? 地球は特別か?第 III 部 第二の地球、発見前夜――ハビタブルプラネット探査とアストロバイオロジー第7章 さらなる探査へ――第二の地球は見つかるか?第8章 あの惑星はどんな世界なんだろう?――系外惑星大気の調べ方第9章 系外惑星とアストロバイオロジー――宇宙に生命の兆候を探す