品格とは「家柄」でも「作法」でもありません。生まれながらに備わっている遺伝子でもありません。誰でも、いつからでも、その気になりさえすれば、自分で手に入れられるのです。単にいままで学んでこなかっただけです。ですが、品格を手に入れたいと思う人のほとんどが失敗し、あきらめているという現実があります。それは学ぶ方法に大きな問題があったのです。マナーや作法をやみくもに暗記しようとしても、「覚えられない」「忘れる」「応用がきかない」ということになってしまいます。では、つぎのように、歴史や由来を知るとどうでしょうか?◎土産を訪問先の近場で買うのがNGなのは、起源が遠方の「神社詣で」だから◎礼装は神事に由来するので、肌の露出が少ないほど格上になる◎古来日本では左が上位だから、配膳の基本は「ご飯が左、汁物は右」この他、履物の脱ぎ方、座り方、手土産、食事の仕方……ちょっとした歴史や由来を知ることで、「なぜそれをするのか」がわかるので覚えられ、忘れません。また、とっさのことにも応用がきくようになります。さらに、脈々と受け継がれてきた作法やしきたりの裏側にある「美意識」を知ることで、背筋がスッと伸び、しぐさが変わっていくことでしょう。すると、自ずと品格が醸し出されていくのです。創業132年の呉服屋を営む著者による「一生ものの知識」を、本書で学んでいきましょう。