関西のある中学校の女性教諭は毎朝、校門に立つ。生徒たちの表情、身なりに変わりはないか、すれ違う時はにおいを確かめる。「あいつと手をつなぐの、嫌や」。言われた少年は、髪に脂が浮き、制服のシャツはいつも首回りが黒ずんでいた。「お風呂、入れてる?」「風呂、壊れてるし」。学校でシャツを洗うことにし、男性教諭は友だち役を買って出た。それから2年。卒業した少年は言った。「一緒にいてくれて、ありがたかった」。外からは容易に見えない子どもの貧困。学校現場は子どもたちのSOSをどうキャッチし、どう立ち向かっているのか。先生や学校医の姿を追った。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。【文字数:6600文字/単行本換算で10ページ】