1950年代の日本。戦争を放棄したはずの日本に警察予備隊が生まれた頃、戦犯に問われた人々を収容していたスガモプリズンの中から、再軍備への動きを止めようと、声を上げた男たちがいた。第二次大戦中のニューギニアで、ゲリラと疑われた現地住民の処刑に関与した元BC級戦犯の飯田進氏も、その一人だ。日本刀で切りつけた時の「ぬれ雑巾をたたきつけたような」感触、流れる血を見てこみ上げた吐き気。間違いだらけの起訴状でくだされた軍事法廷の判決。獄中で経験した、戦争観のドラスティックな転換……。「われわれは地獄の釜の縁に立っている。踏み外せば奈落の底に真っ逆さまだ」。90歳を超えてなお語り続けずにはいられない、「戦争」の正体。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロンテンツです。【文字数:6100文字/単行本換算で9ページ】