「痴漢ですっ!」──朝の通勤電車内に突如響き渡った甲高い声。ひとりの少女が男の手首を掴み、高々とか掲げる。独特のセーラーカラーは聖ハイム女学園のものだ。聡史には他人事だった。が、その二日後、また彼女が痴漢被害に会う場面に遭遇する。そして翌日、彼女・美菜子が自分に密着していることに気づいた。まずい、もしかしたら、小遣い稼ぎの痴漢にされてしまうかも…そう思った瞬間、薫ってきた甘い匂いと、ズボンのファスナーを下し、侵入してきた彼女の指…。官能文芸誌「悦」掲載の、珠玉の女子高生短編作品。【著者略歴】橘真児(たちばなしんじ) ─ 1964年、新潟県生まれ。教員をしながら96年に『ロリータ粘液検査』(マドンナ社)で作家デビュー、2003年から専業作家に。学園モノからヒップモノ、また美少女レーベルなど、様々なエロティック小説を発表し、広い人気を獲得している。