優れた文学でもある聖書。そこには、超絶的な神だけでなく王も奴隷も、聖人も罪人も、あらゆる人間の生き様が刻みこまれている。天地と悪の初源を明かす創世記から、イスラエルの民の歴史、救い主イエスの生涯、そして世界の終末を告げる黙示録まで。そのすべてを、人間が息づく百の物語として芥川賞作家が紡ぎ出す。数々の名場面、悠久のドラマがよみがえり、豊富な図版とともに新旧約聖書を読み通すことができる決定版。 【目次】 はじめに ■旧約聖書編1 初源の詩・愛の創まりと悪の発現2 族長たちの時代3 指導者モーセ4 約束の地カナンへ5 イスラエルの黄金時代6 南北朝時代と預言者たち7 バビロン捕囚からローマ支配まで8 イスラエルの智と美 ■新約聖書編9 イエスの生涯10 再臨に向けて おわり※本書は、二〇〇〇年十月に刊行された『ビジュアル版 聖書物語』(講談社刊)に加筆・修正し文庫化したものが底本です。