「こいつには苦労させられたよ。もう50年か……」。「夢のエンジン」の開発リーダーを務めた山本健一氏(94)は振り返った――。半世紀前の1967年、東洋工業(マツダ)が世界で初めて量産に成功したロータリーエンジン(RE)は、通常のレシプロエンジンとは発想も構造も根本的に異なり、開発は困難を極めた。当時ベンチャー企業的立場だった広島のいち自動車メーカーが、なぜ「世界初」にこだわったのか? 創業、原爆被災、三輪トラックから四輪へのシフト、そして、REとの出合いと挑戦の決意。日本が一番元気だった時代を駆け抜けた「夢のエンジン」をめぐる長期連載第一部「胎動編」を電子書籍化。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。【文字数:14100文字/単行本換算で20ページ】