「社外取締役の皆さんは忙しいから勉強不足。質問も『これ、どういう意味ですか?』と用語の意味や事業の中身を問うようなものばかり」……。ウォークマン、CDやパソコンの「バイオ」、ゲームの「プレイステーション」等々、数々の革新的サービスを生み出してきたソニーは、同時に日本に米国流の「コーポレートガバナンス」を持ち込んだ先駆者でもあった。加速させたのは、95年に社長に就いた出井伸之氏。現在、ソニーの取締役12人のうち、9人が社外取締役だ。元駐日米国大使、ベネッセホールディングス会長兼社長など、著名人は数多いが、ソニーの事業やエレクトロニクスに明るいとはいえない。しかし、出井氏による体制変革以降、こうした社外取締役が実権を握り、現場の事情をよそに政争が繰り返される一方、社外取締役に引き立てられた幹部が、失敗の責任もとらずに居座ってきた。その結果が、上場以来初の無配転落だった……。苦闘する日本の「ものづくり」の象徴でもあるソニーの窮状。その原因を深堀りする、緊迫のドキュメント。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。【文字数7700文字/単行本換算で11ページ】