身に覚えのない借金の滞納で、ローンを組めなかったら? ソフトバンクモバイルが顧客約6万人の信用情報を誤って登録していた問題は、不確かな個人情報が、自分の知らないところでひとり歩きする現代の情報ネットワーク社会の怖さを、まざまざと見せつける形となった。実は信用情報の登録ミスは、過去にも幾度となく繰り返されており、06年には314万件という大きな規模の誤登録が発覚した。問題は信用情報だけではない。実は国境を超えてインターネットを流れる情報の8割は、北米を経由しており、アメリカの政府機関の監視下にあるのだ。サイバー空間の情報の流れのあり方が、リアルな生活をも脅かす、ネット社会の暗部をえぐり出すレポート。